セラミックコーティング

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 セラミックコーティングについて

セラミックコーティングは、ファインセラミックを原材料として、ゾルゲル複合材料技術を使用して施されたコーティングです。この技術により、シリカ高分子が脱水や縮重合の過程で生成され、化学的に基材と強力に結合します。そのため、非常に優れた接着力を持ち、腐食環境にさらされても基材と塗膜の間で腐食が進行するのを防ぎます。
 
また、セラミックコーティングは化学結合によって基材にしっかりと密着しているため、フッ素樹脂コーティングのように浸透による剥がれやブリスター(気泡の膨れ)が発生することはありません。

セラミックコーティング

  

高温下での離形性が向上したセラミックコーティング「FCXD-310」

2025年3月から受注開始します。

セラミックコーティング「FCXD-310」は、従来のセラミックコーティングでは困難だった高温化での非粘着性や離形性を損なうことなく維持できる画期的なコーティング技術です。
 
これまでのセラミックコーティングは、高い耐熱性や高硬度の塗膜に加え、優れた離形性を持つなどその有能さから様々な用途で使われてきましたが、200℃を超えると非粘着性や離形性が落ちてしまう弱点があり、そのため離形用途としては有効な範囲が限られていました。
FCXD-310は、そういった従来のセラミックコーティングの弱点を克服し、他の優れた性能はそのままに、高温化での離形性の持続温度を260℃まで可能にした新しいセラミックコーティングです。

従来のセラミックコーティングとの比較

 
 主な特性 従来のセラミックコーティング 新しいセラミックコーティング
「FCXD-310」
 
非粘着性 フッ素樹脂同等の非粘着性、離形性を持つ
使用温度が200℃を超えると離形性が落ちる
フッ素樹脂同等の非粘着性、離形性を持つ
使用温度が200℃以上でも離形性が落ちない
(連続使用可能温度260℃)
 
耐熱性 450℃ 450℃  
硬度 9H 9H  
PFAS有無  

  

フッ素樹脂コーティングとの違い

・耐熱性

セラミックコーティングは、フッ素樹脂コーティング(PTFEやPFA)よりも高温に強く、耐熱温度は450℃に達します。
フッ素樹脂と同様に優れた非粘着性や離型性を発揮し、蒸気にも強く、有害ガスを発生させることがないため、安全で環境にも配慮された優れた選択肢です。
 

・耐摩耗性・耐久性

セラミックコーティングは、フッ素樹脂コーティングと比較して塗膜が硬いという特性があります。
鉛筆硬度で9Hに達し、引っかきや擦れによる傷がつきにくいのが特徴です。
また、密着性が高く、はがれにくいという特性もあります。そのため、硬い物が触れる環境でも、塗膜を傷つけることなく安全に使用することができます。
 

・PFAS規制について

現在、欧州(EU)ではPFAS(フッ素化合物)を使用しない方向への動きが強まっています。これにより、PTFEやPFAといったフッ素樹脂コーティングの使用が、EU内外で制限される可能性があります。このような状況の中で、セラミックコーティングはフッ素樹脂コーティングの有力な代替品となると考えられます。
 

  

セラミックコーティングの特性表

  FCXD-322 FCXD-307 FCXD-310
密着性 100/100 100/100 100/100
耐熱温度 450℃ 450℃ 450℃
離形性持続可能温度 200℃以下 200℃以下 260℃
鉛筆硬度 9H 9H 9H
剥離力(N/25mm) 0.18~0.21 0.22~0.24 0.22~0.24
接触角(水) 95~105 95~105 95~105
耐酸性(塩酸5%  16h) 異常なし 異常なし 異常なし
耐アルカリ性(水酸化ナトリウム5%  16h) 異常なし 異常なし 異常なし
耐衝撃試験(300±5gのおもり高さ50cmより落下) 異常なし 異常なし 異常なし
沸水試験(98℃以上  100h浸漬) 異常なし 異常なし 異常なし
色調 白、黒、灰 白メタ、黒メタ、灰メタ 白メタ、黒メタ、灰メタ

  

グレード一覧

グレード 非粘着性 低摩擦性 耐摩耗性 耐薬品性 帯電防止 標準膜厚 耐熱温度 離形性持続
可能温度
材質
FCXD-307 × 30μm 450℃ 200℃ SiO²
FCXD-322 × 30μm 450℃ 200℃ SiO²
FCXD-065 30μm 450℃ 200℃ SiO²
FCXD-010F × 30μm 300℃ 200℃ SiO²/PTFE
FCXD-020C ◎◎ × 30μm 300℃ 200℃ SiO²/PTFE
FCXD-310 × 30μm 300℃ 260℃ SiO²