●セラミックコーティングの特性
セラミックコーティングは、ファインセラミックを原材料に使用し、ゾルゲル複合材料技術を用いたコーティングです。
脱水、縮重合によって生成するシリカ高分子と化学結合して接着するため、強固な接着性を有します。腐食環境に暴露されても、基材と塗膜界面からの腐食の進行が阻止されます。
セラミックコーティングは、化学結合により基材と密着させているため、フッ素樹脂コーティングのような浸透による塗膜剥離やブリスターが発生しません。
●フッ素樹脂コーティング(テフロンコーティング)との違い
・耐熱性
セラミックコーティングはフッ素樹脂コーティングよりも高温に対応しています。耐熱温度は450℃です。
しかし、注意していただきたいのはセラミックコーティングは高温下での使用では離型性の機能が落ちてしまいます。
高温下ではない使用の場合、蒸気などの耐スチーム性を持ち、有害ガスも出ないのでセラミックコーティングは最適です。
高温下での離型性を必要とする場合PTFEやPFAを用いるのが一般的ですが、離型剤等を用いて対処することも可能です。
・耐摩耗性・耐久性
セラミックコーティングの特性として、フッ素樹脂コーティングに比べ塗膜が硬いということがございます。
鉛筆硬度で9Hと、引っかきなどによって傷がつきにくいです。
また、密着性が高くはがれにくいといった特性もございます。
そのため、硬いものが触れてしまうような環境下ではこの機能を果たし、塗膜を傷つけずに使用することが可能です。
・PFAS規制について
現在欧州(EU)ではPFAS(フッ素化合物)を使用しないという動き・考えが大きくなってきています。
これによりPTFEやPFAといったフッ素樹脂コーティングがEUを飛び越えて使用できなくなる可能性がございます。
その際、フッ素樹脂コーティングの代替品になるものの1つがこのセラミックコーティングになるかと思われます。
このPFAS規制により、コーティングの変更を余儀なくされ、お困りのお客様はぜひ一度当社にてご検討お願いします。
豊富な知識と経験により、お客様が納得していただけるよう、様々なご提案をさせていただきます。
●グレード表(セラミックコーティング)
グレード表 | ||||||||
グレードNo. | 非粘着性 | 低摩擦性 | 耐摩耗性 | 耐薬品性 | 帯電防止 | 膜厚 | 耐熱温度 | 材質 |
FCXD-322 | ◎ | 〇 | ◎ | △ | × | 30 µm | 450℃ | SiO² |
FCXD-307 |
◎ | 〇 | ◎ | △ | × | 30 μm | 450℃ | SiO² |
FCXD-065 | ◎ | 〇 | ◎ | △ | ◎ | 30 μm | 450℃ | SiO² |
FCXD-010F | ◎ | ◎ | ◎ | △ | × | 30 μm | 300℃ | SiO²/PTFE |
FCXD-020C | ◎◎ | △ | ◎ | △ | × | 30 μm | 300℃ | SiO²/PTFE |
密着性 | 100/100 |
耐熱温度 | 450℃ |
鉛筆硬度 | 9H |
剥離力(N/25mm) | 0.18~0.21 |
熱伝導率(W/mk 100℃) | 1.298 |
接触角(水) | 95~105 |
耐酸性(塩酸5% 16h) | 異常なし |
耐アルカリ性(水酸化ナトリウム5% 16h) | 異常なし |
耐衝撃試験(300±5gのおもり高さ50cmより落下) | 異常なし |
沸水試験(98℃以上 100h浸漬) | 異常なし |