フッ素樹脂の「耐薬品性」及び「耐食性」について

〇「耐薬品性」「耐食性」とは

「耐薬品性」「耐食性」とは、フッ素樹脂コーティング(テフロンコーティング)が持つ、さまざまな薬品に対する耐久性のことであり、金属表面に処理を行うことで金属の腐食、溶解を防止することです。
フッ素樹脂は、酸・塩基・有機溶剤などの薬品に強く、溶解、膨張(膨潤)しないことで知られています。一般に耐薬品性を持ちよく用いられているポリエチレン(PE)がありますが、高温での使用や、薬品の種類によっては変形や変色の問題も起こります。
しかし、フッ素樹脂コーティング(テフロンコーティング)は樹脂の中でも耐熱性、耐薬品性に優れており、ある程度の高温下でも形状や物性を保ったまま使用することができます。そのため、薬品を使用するさまざまな環境で使われています。

〇フッ素樹脂の耐薬品性と利用

フッ素樹脂コーティング(テフロンコーティング)は耐薬品性に優れており、ほとんどすべての液体に溶解しない樹脂として知られています。
種類によりますが金属は酸・アルカリといった薬品に弱く、触れると金属イオンになって溶け出すことが多いです。
そこでフッ素樹脂を金属にコーティングすることで、金属を薬品から守り、薬液による溶解を防ぐことが可能です。
そのため、本来金属で作られた機械やロボットを、薬品に浸かる、薬品を通す、薬品に触れるような環境下、多くは化学分野での使用に採用されることがあります。
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〇耐薬品用途のフッ素樹脂コーティング(テフロンコーティング)の基材について

耐薬品用途のフッ素樹脂コーティング(テフロンコーティング)の場合、耐薬品向上(ピンホールや早期浸透)のため厚膜での表面処理を施しますが、基材の形によっては難しいもの、または塗膜欠陥が発生する場合がございます。
それらを防ぐために、基材の設計はとても重要といえます。
例えば、配管やパイプ内面のコーティングや、角(凸部凹部)へのコーティングには注意が必要です。
【配管・パイプ】
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【角部のR加工(凸部)】
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【角部のR加工(凹部)】
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〇耐薬品・耐食の用途例

フィルター、ファン、ロール、フランジ、バケット、容器、対塩水機械部品、熱交換器、撹拌羽根、プレス、
反応槽、メッキ治具、各種科学タンク類など

〇塗料グレード表

グレード表
 グレードNo. 非粘着性 低摩擦性 耐摩耗性 耐薬品性 帯電防止 膜厚 耐熱温度 材質
FCX-379 200μm~600μm 260℃ PFA
FCX-393
× 200μm~600μm 260℃ PFA
FCX-039 × 200μm~600μm 260℃ PFA
FCX-013 × 200μm~600μm 260℃ PFA
FCX-203 × 200μm~600μm 180℃ ETFE
FCX-025 × 200μm~600μm 150℃ ECTFE