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JCコート™とは

「JCコート」は日本における太陽誘電株式会社の登録商標または商標です。
大きく分けて、DLCコーティングベースの「Pシリーズ」と、
有機無機ハイブリッドガラスコーティングベースの「Uシリーズ」に分けられます。

 
 
 

JCコート™Pシリーズ

JCコート Pシリーズは、DLCコーティングをベースに各種特性を付与した表面処理膜です。
※ DLCとは、ダイヤモンドライクカーボンの略。一般的な特長は、硬質、潤滑性、耐摩耗性、化学的安定性、表面平滑性、離型性など。機械材料、工具、電子機器の低摩擦・耐摩耗コーティングとして適応範囲が大きく拡大している。

JCコート™P(撥水撥油・付着防止)

硬さを持ちながら、シリーズ中最も撥水撥油性に優れた仕様です。
各種金属・樹脂・セラミックス等への対応可能で、ペースト供給用ノズル・接着剤塗布用ノズル・インク吐出用ノズルへの撥水性コーティング、油脂を扱う工程での部材供給ラインや、部材切断用ブレード等への撥油性コーティング、洗浄性向上を目的とした排気ダクト排気ファンへのコーティング等で課題解決を強力にサポートします。
Pシリーズは、食品衛生法に対応しており、安心してお使いいただくことが可能です。
※ 食品衛生法
日本においての飲食による健康被害の発生を防止するための法律。
食品と添加物などの基準、表示、検査などの原則を定める。
食器、割ぽう具、容器、包装、乳児用おもちゃについても規制の対象となっている。
特徴

DLCをベースとした非粘着性コーティングのため、硬さ・離型性・撥水撥油性に優れる。
・ 密着が強固であり、膜の欠損部から剥離が広がるリスクが低い。
・ 1μm以下の薄膜で寸法への影響は極めて小さい。

用途例

シュート、トラフ、バケット、フィーダー、ガイドレール、ふるい、カッター刃、ローラー、パンチングプレート、メタルマスク、ノズルなど。
食品業界 医療機器業界 接着剤業界 他。
 
〈母材〉
金属、セラミックなど(銅系は処理不可)

※他の母材は都度ご相談ください。

 
〈注意点
・パイプや深い箱型形状などの内面側への処理は困難です。
・耐熱温度は100℃程度となります。

PFASフリーについては別途ご相談ください。

  
 

JCコート™PH耐摩耗、高密着)

シリーズ中最も軟質金属に対する凝着性が低く、耐磨耗係数も最も低い仕様で、シリーズ中最も高い硬度を持つ応用範囲の広い仕様です。 各種金属・樹脂・セラミックス等への対応可能で、軟質金属との接触が多い治工具や、工程ライン設備パーツが有る場合の、凝着低減・洗浄性課題解決を強力にサポートします。

特徴

1,剥がれに強い
JCコート™PHは、基材とコーティングが強固に結合しており、剥がれに非常に強い膜です。キズや欠損による剥がれの進行はありません。
また、硬さとしなやかさを兼ね備えており、基材の形状に合わせて柔軟に対応します。


 
2,膜の付きまわりに優れている
JC コート™PH は、優れた膜の付きまわりを持ち、基材の形状に合わせて1 ミクロン以下の超薄膜を均一に形成することができます。これにより、複雑な形状や微細な部品でも、図面通りのコーティングが可能です。
さらに、低温でのコーティングができるため、基材の熱変形の心配はありません。
 
3,耐摩耗性と耐凝着性に優れている
JC コート™PH は、高い硬度と低い摩擦係数により、耐摩耗性と滑り性が向上します。これにより、生産ラインでのパーツの消耗や搬送の問題を劇的に改善することができます。
さらに、JC コート™PH は軟質金属に対する凝着性が低いため、切断ブレードや搬送パーツなどの用途に効果的です。

用途

刃物
問題:切れ味の低下による刃の交換・研磨の頻度が高い
提案:刃先へのJCコート™PHコーティングによる耐摩耗性向上
結果:刃の耐久性が向上し、メンテナンス頻度が低下
シュート
問題:製品がシュート上で詰まり、ライン停止が頻繁に発生する
提案:シュートへのJCコート™PHコーティングによる滑り性向上
結果:製品の流れがスムーズになり、詰まりが解消され、ライン停止回数が減少
フィーダー
問題:スズめっき製品の凝着により、フィーダーの供給個数が減少している
提案:フィーダーへのJCコート™PHコーティングによる低凝着性向上
結果:凝着が改善され、フィーダーの供給個数が増加
処理可能なサイズ
1500㎜。
1500㎜以上のアイテムについてはご相談ください。
処理可能形状


表面平滑性と摩擦係数との関係性について
DLC コーティングはPVD (物理的蒸着)とCVD (化学的蒸着)の2 つの方式に大別されます。PVD 方式では、膜形成時に放出される粗大な粒子(ドロップレット)が表面に付着し、その結果として表面平滑性が損なわれることがあります。
一方、CVD 方式では、ドロップレットが放出されず、より表面平滑性の高い膜を得ることができます。表面平滑性は、物体の表面の凹凸や粗さの程度を示し、摩擦係数に影響を与えます。表面が平滑であればあるほど、摩擦係数は低くなります。
そのため、JC コート™PH のように表面平滑性が高いCVD 方式を採用したDLC コーティングは、PVD 方式よりも摩擦係数が低い膜をコーティングすることができます。

JCコート™PL(低摩擦)

DLCコーティングベースの薄膜に、特定の元素を添加・調整し、摩擦係数を大きく改善。
JCコートPLとPHと組み合わせることで、摩擦係数の更なる低下が期待できます。

特徴

JCコートシリーズ中、最も低い摩擦係数を実現するコーティング

  JCコートPL JCコートPH
成膜方法 CVD法 CVD法
特      性 耐摩耗性・低摩擦係数 耐摩耗性・低摩擦係数
膜      厚 ~1μm ~1μm
硬      度 ~1800Hv ~1800Hv
耐熱温度 ~400℃ ~300℃
摩擦係数 0.05 0.13
色      調 虹色~黒色 虹色~黒色
食品衛生法 適合 適合
RoHS 適合 適合
対応可能サイズ 1500mm程度 1500mm程度

  
 

JCコート™Uシリーズ

JCコート™U

JCコート™Uは、撥水撥油性の機能をもつセラミックスベースのコーティングです。
各種金属・樹脂等への対応可能で、様々な食品製造機器、産業機器にお使いいただけます。
製造ラインの部品にこのコーティングを施すことで、防汚性が向上し、メンテナンスや清掃作業の効率化が期待できます。
JCコート™ UはJCコート™Pでは対応ができなかった箱形状の充填ホッパーやパイプ形状の内側へ成膜が可能です。

特徴

撥水撥油・付着防止として、JCコート™Pではできない内径部や凹部など入り組んだ箇所へコーティングが可能です。
あらかじめ母材との新和性を高める前処理も行いますので密着性にも優れております。

用途

食品生産ラインパーツの洗浄性改善
食品生産ラインにおける品質安定を妨げる様々な汚れや付着物の問題を解決します。生産ラインパーツにコーティングする事で、洗浄性・メンテナンス性の改善に大きな効果を発揮してます。
母材
各種金属・樹脂(樹脂は下記「注意点」参照)
注意点(処理による欠点等)
樹脂の種類や加工方法によって密着性に差が生じる場合があります。表面の状態によっても密着性に若干の差が生じることがあります。(下記の表をご参照ください。)
実績の少ない素材は事前に密着性のテストを行うことをお勧めします。