●「非粘着性」について
フッ素樹脂コーティングが持つ「非粘着性」とは、付着性の強い粘着物に対して離型しやすく、付着しない、または付着しにくい性質のことです。一般にフッ素樹脂はこの「非粘着性」を持ちますが、グレードの種類によっては非粘着性に特化したものもあります。
●フッ素樹脂コーティングが持つ「非粘着性」の3つの特徴
フッ素樹脂コーティングが持つ「非粘着性」の理由は、3つの特徴にあります。
それら3つの特徴をそれぞれ詳しく紹介していきます。
①化学的に安定している
フッ素樹脂はほとんどの薬品・薬液に溶解しないことで知られています。これはフッ素樹脂の分子構造に関係していて、代表的なものとして、PFAやPTFEなどがありますが、それらは主に炭素原子とフッ素原子の結びつきで構成されており、比較的その炭素原子とフッ素原子の結びつきは強いです。それによりほとんどの物質と化学的に結合することがなく、「化学的に安定している」といえます。
フッ素樹脂はほとんどの薬品・薬液に溶解しないことで知られています。これはフッ素樹脂の分子構造に関係していて、代表的なものとして、PFAやPTFEなどがありますが、それらは主に炭素原子とフッ素原子の結びつきで構成されており、比較的その炭素原子とフッ素原子の結びつきは強いです。それによりほとんどの物質と化学的に結合することがなく、「化学的に安定している」といえます。
②水や油などをはじく性質
フッ素樹脂コーティングは、多くの物質に対してはじく性質をもっています。一般的には水をはじく、油をはじく、撥水性・撥油性と言われる性質です。
これはその物質がもつ表面張力などに関係しており、フッ素樹脂コーティング(テフロンコーティング)を施したものは基本的に表面張力が低いです。逆に水や油は表面張力が高く、この差が大きいものほどよくはじきます。
③なじみにくい性質
簡単な例をあげると、水と油を混ぜ合わせても、混ざり合わずなじみません。これと同様に、PFAやPTFEなどのフッ素樹脂はほとんどの物質と混ざり合いにくく、なじみにくい性質を持っています。
このなじみにくさを数値化したもののひとつで、SP値というものがあります。それぞれの物質がそのSP値というものをもっており、その値同士の差が大きいほど、なじみにくいという指標となります。
そこで、フッ素樹脂のもつSP値がほかの物質にくらべ低いことから、ほとんどの物質となじみにくいということとなります。
これら3つの特徴から、フッ素樹脂コーティングは非粘着性に優れているということが説明できます。
●塗料グレード表
グレードNo. | 非粘着性 | 低摩擦性 | 耐摩耗性 | 耐薬品性 | 帯電防止 | 膜厚 | 耐熱温度 | 材質 |
FCX-730 | ◎ | ◎ | ◎ | × | × | 40μm | 260℃ | PTFE |
FCX-108 |
◎ | 〇 | 〇 | 〇 | × | 50μm | 260℃ | PFA |
FCX-565 | ◎◎ | 〇 | △ | 〇 | × | 50μm | 200℃ | FEP |