●FTHコーティングとは
FTHコーティングとは硬質アルマイトにフッ素樹脂を含侵させた原料を用いることで、金属特有の機械的性質に優れ、またフッ素樹脂特有の離型性や低摩擦性などの機能性を併せ持つコーティングです。
〇FTHコーティングの特長
①密着度
FTHコーティングは、アルミに硬質アルマイトを密着させますが、アルミの種類・材質によっては硬質アルマイトが密着しにくい場合がございます。
とは言っても、アルミの材質を選定すれば、高い水準での密着力をみせ、はがれにくい塗膜となります。

②耐摩耗性
さらに、FTHコーティングは樹脂ではなく樹脂を含侵させた硬質アルマイトをコーティングしていることから、非常に硬く、耐摩耗性に優れています。
フッ素樹脂コーティング(テフロンコーティング)では耐摩耗性に問題がある場面や使用状況において用いることができます。
材質 | 硬度(Hmv) |
A1050 H14 | 400~500 |
A2017 T4 | 250~350 |
A5052 H36 | 350~450 |
A6063 O | 400~500 |
A7075 T6 | 300~400 |
AC7A F | 250~350 |
測定条件:マイクロビッカース高度計 MνK-1、荷重50g
③その他機能性
FTHコーティングは前述の通りフッ素樹脂特有の機能性を併せ持ちます。
詳しいところでいうと、摺動性・非粘着性・離型性・電気絶縁性・耐食性などがあります。
○摩擦係数 0.1
測定条件:ファレックス試験 荷重50ポンドー290rpm
A5052 H36にFTHコーティング 40μm
相手材 AISI 1137Steal
○電気絶縁性、被破壊電圧は次表のとおりです。
被膜暑さ(μm) | 被破壊電圧(V) |
25 | 550 |
50 | 1500 |
75 | 2000 |
100 | 2000 |
測定条件:A5052条の被膜 30mAの電流が流れたとき破壊がおきたものとして